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アメリカンブランドへの憧れ①

自分がベースを始めたのは中学2年の時だった。 当時、近所にあった楽器屋へ初めて出向き、実に様々なベースが並んでいた風景は今でも忘れない。 一番最初に手に入れたのは、アリアプロⅡのミディアムスケールのベースだった。というのも、当時、ロング、ミディアム、ショートの各スケールがある事は全く知らなかった。

このベースは両親とのある約束で手に入れたものだ。

その約束とは...

「何でもいいから学校から表彰状を貰ってこい!そしたら買ってやる!」

バイトをしようにも、当時は中学生を雇ってくれる所は無かった。

それならばと、足に自信があった俺は、陸上部に入部した。そこで、大会に出て優勝し、表彰状を掻っ攫う作戦に出た。

半年後、地区の大会で3位に入り(種目は100m)、作戦通り表彰状を掻っ攫った。

そうして、やっとの思いで初めてのベースを手に入れたが、当時、モトリークルーのニッキーシックスが使っていたのは、「HAMER USA」というブランドのサンダーバードシェイプのベースだった。

今の様にインターネットなど無く、情報を拾う手段としては、音楽雑誌をめくるか、直接御茶ノ水のギター街に繰り出すしか方法は無かった(それしか思いつかなかった)。

それで、暫くはそのアリアプロのベースでひたすら練習した。

そして、毎月出るギター雑誌を読み漁り、海外には、先述のHAMER や Jackson、BC Rich、Kramer、Spector等、ハードロックバンド御用達のメーカーがある事に心がときめいた。

そんなある日、御茶ノ水のギター街を歩いていたら、とある店のショーウィンドウに、例のHAMERのニッキーシックスモデルが文字通り

「デーーーン!」

と飾られていた。 俺はその場で凍りついた。

続く。。。


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